ピロリ菌について
胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌は、幼年期に衛生環境が良くなかった年代に感染している人が多く、環境の整った現代では、感染している人の数は低下しています。また、乳幼児期に親から口を介して感染している場合もあります。
ピロリ菌は除菌しない限り、胃の中に住み続け慢性的な炎症を起こします。胃の粘膜を防御する力が弱まってしまうため、ストレスや偏った食事、発がん物質などの影響を受けやすくなってしまいます。
こんな方はピロリ菌検査の検討を
- 胃・十二指腸潰瘍の経験のある方や、再発をくりかえす方
- 胃炎の方
- 親族で胃がんになった方がいる方
- 胃の調子が悪い方
- 何かしら胃に不安・心配がある方
ピロリ菌検査の種類
ピロリ菌の検査には6つの検査方法があります。
内視鏡を使用する検査(内視鏡で胃の組織を採取して検査する方法)
迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌が作り出すアンモニアを調べる検査です。
鏡検法
直接、組織中のピロリ菌を見つけます。
培養法
組織の中のピロリ菌を培養して検査します。
内視鏡を使用しない検査(胃の全体を検査する方法)
抗体測定
尿や血液中のピロリ菌に対する抗体を調べる検査です。
糞便中抗原測定
糞便中のピロリ菌に対する抗原を調べる検査です。
尿素呼気試験法
検査薬を服用する前後の呼気を採取して検査します。
当院では尿素呼気試験法を行っています。
尿素呼気試験法の方法
胃の中の尿素は、ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素によって、アンモニアと二酸化炭素を生成します。このうち二酸化炭素は血液から肺に移動し、呼吸とともに炭酸ガスとして排出されます。
尿素呼気試験法はこの原理を利用して、検査薬を服用し、服用前後の呼気を採取して検査する方法です。
検査スピードが比較的早く、体にも負担がかからないというメリットがあります。
ピロリ菌に感染経験のある方は、年に一度の胃カメラをお勧めします。
監修:うちだ内視鏡・内科クリニック 院長 内田耕栄